今回は「かみそり」です。

「かみそり」は漢字で「剃刀」と書きます。
「剃」は取り除くと言う意味なので、『取り除く刃』ということになります。

では、まずは「日本剃刀」

昭和30〜40年代の物と思われる

上二本は日本剃刀、いちばん下は「耳刀」(耳の中の毛をそる剃刀。現在はあまり使われていない。)

日本剃刀は片刃で、砥石に片方だけを当てて砥ぎます。
(画像では裏側)
砥ぐのは大変難しいのですが、理容業では“砥ぎの基本”といわれています。


次は「レザー」(西洋剃刀)


みなさんのイメージではこれが理容師がよく持っていると思われているはず。
鞘の中に刃を収納し、使用するときに画像のようにして使います。
「レザー」は砥石で両面を研ぎますが、砥いだ後は「コードバン」という長細い皮で刃を滑らかにします。
(コードバンとは馬のお尻の皮。昔はどこのお店にもぶら下げて使ってました。)


日本剃刀は日本の昔からあった剃刀。江戸時代なら月代(さかやき)やヒゲを剃ったり、女性の衿(えり)をそりました。
砥ぐのが難しいので、砥ぎ屋さんが街を流していました。

レザーは江戸時代後期に西洋人とともに日本に入って、理容技術とともに日本に定着。

日本剃刀、レザーとも研ぎ方、製造方法、使用法が全く違うのですが、日本になじみの深い物となりました。

現在剃刀は替刃になっており、形は日本剃刀、レザーとも残っております。

顔剃りの技術はとても難しく、習得するのに時間がかかるため、T字の安全剃刀を使う店も多くなりました。嘆かわしいことです。